冬の季節には、寒中見舞いを通じて親しい人々への思いやりを表すのが日本の伝統的な習慣です。しかし、寒中見舞いを出す際には、いくつかのマナーが存在します。
この記事では、寒中見舞いにおける写真の使用やその他のマナーについて、知っておくと得する5つの重要なポイントをご紹介します。
寒中見舞いに写真を入れるのはNG?
寒中見舞いは、において、「写真の使用」は慎重に考慮されるべきポイントの一つです。
寒中見舞いはがきに家族の写真などを入れるのはありなのか気になる人も多いと思います。
結論としては、「喪中」かどうかによって異なります。
喪中の場合の寒中見舞いに写真入りは避けるべき
喪中であるかどうかは、写真使用の可否を判断する重要な要素です。
自分や受け取る相手が喪中の場合、写真入りの寒中見舞いは控えるべきでしょう。
厳密に喪中の時は寒中見舞いはがきに写真を入れてはいけないというルールはありませんが、基本的には避けた方が無難です。
喪中の人に楽しげな家族写真や幸せそうな赤ちゃんの写真を送ることは、悲しみを増幅させる可能性があるためです。
また、逆に自分が喪中の場合に写真つきで年賀状の返事として家族写真入りの寒中見舞いを送った場合には、受け取った側は「この人何で喪中なのに家族全員幸せそうな顔してるの?」と困惑してしまう可能性が高いでしょう。
喪中ではない場合の寒中見舞いに写真入りはOK
喪中ではなく例えば、年賀状を出し忘れて遅れて寒中見舞いを送る場合、写真入りの寒中見舞いはがきを使用しても問題はありません。
実際、寒中見舞いのはがきを印刷してくれる業者のデザインなどを見ても家族写真や子どもの写真を入れた寒中見舞いはがきはたくさん見つけることができます。
寒中見舞いに写真を入れる場合の選び方
寒中見舞いで使用する写真を選ぶ際は、季節感を意識することが重要です。
ご年配の方に送る場合には特に、季節の草花や果物、雪景色などの冬の季節感を表現するものが好ましいとされています。
例えば、家族写真で夏に撮ったと思われるような写真(半袖半ズボン)はできれば避けた方が良いでしょう。
また、寒中見舞いは年賀状ではないため、干支や縁起物を連想させる写真は避けるべきです。これには季節感を維持し、寒中見舞いと年賀状の区別を明確にする目的があります。
寒中見舞いを送る期間を守る
寒中見舞いの習慣を守る上で、重要なのが「いつからいつまでの期間に寒中見舞いを送るか」という点です。
寒中見舞いを送る適切な期間は、松の内が明けた1月8日から立春の前日までです。立春は通常2月4日頃であるため、この時期が一般的な寒中見舞いの送付期間とされています。
つまり、1月7日までは年賀状、それ以降は寒中見舞いとなるため寒中見舞いはがきが届く日付を間違えないようにしましょう。
また、逆に2月4日を過ぎると、寒中見舞いは「余寒見舞い」と名前が変わります。
これは暦上春に入るためであり、寒中見舞いとして送るべき時期が終了したことを意味します。したがって、2月4日以降に挨拶状を送る場合は、寒中ではなく余寒見舞いとして送ることが適切です。
寒中見舞いはがきのデザインも大切
寒中見舞いはがきのデザインを選ぶ際は、日本の伝統的なマナーと季節感を重視する必要があります。ここでは、マナー違反にならないためのポイントをご紹介します。
寒中見舞いはがきは季節感のあるデザインに
寒中見舞いは冬の寒さを意識した挨拶状であり、季節感を反映したデザインを選ぶことが重要です。
雪の結晶、冬の風景、季節の草花や果物など、冬らしい要素を取り入れたデザインが好ましいです。
寒中見舞いはがきは年賀状との区別する
年賀状で使われる干支や縁起物を連想させるデザインは避けるべきです。
寒中見舞いは、年賀状とは異なる目的を持つ挨拶状で、主に冬の季節の挨拶としての役割を果たします。
年賀状は新年の祝賀の意を表すために、干支や縁起物などのお祝いに関連するデザインが用いられます。これに対して、寒中見舞いは冬の寒さへの気遣いや相手の健康を願うメッセージを伝えることが主な目的です。
そのため、干支や縁起物のような新年を祝う要素は、寒中見舞いの季節感や目的とは異なり、不適切とされています。
寒中見舞いは季節の変わり目の挨拶として、冬の季節感を大切にする文化的な背景があるため、これらの要素を避けるのがマナーとされています。
寒中見舞いで使用するはがきと切手
寒中見舞いを送る際、はがきと切手の選択は重要なマナーの一つです。
以下のポイントを踏まえて、適切な選択を行いましょう。
年賀状の再利用して寒中見舞いに出すのはNG
出し忘れた年賀状を寒中見舞いとして使用するのは避けるべきです。
年賀状は新年の祝賀を目的としており、寒中見舞いは冬の寒さに対する心遣いや相手の健康を願うメッセージを伝えるために送られます。
また、年賀状は通常、干支や縁起物など新年を祝う要素が含まれています。
これらの要素は、寒中見舞いの季節感やメッセージと一致しないため、再利用するとマナー違反と見なされる可能性があります。
郵便はがきのデザインは胡蝶蘭がおすすめ
現在、郵便局で買うことができる郵便はがきのデザイン(切手部分)はヤマユリ、ヤマザクラ、胡蝶蘭の3種類から選ぶことができます。
これらのデザインはどれを選んでもマナー違反になることはありませんが、寒中見舞いでは、胡蝶蘭が使われることが多いです。
これは、その落ち着いた美しさが、寒中見舞いの季節感や心遣いと調和するからです。
寒中見舞いで慶弔用の切手はNG
寒中見舞いで慶弔用の切手を使用することはNGです。
寒中見舞いは冬の季節の挨拶状であり、慶事や弔事とは異なる趣旨を持っています。
慶弔用の切手を使用すると、その趣旨と混同される可能性があり、受け取る側に適切でない印象を与える恐れがあります。
喪中の場合でも、寒中見舞いの本質は季節の挨拶と相手への健康や幸福を祈るメッセージで、慶弔用の切手は弔事や祝事に特化しているため、寒中見舞いの趣旨に合わないとされます。
そのため、喪中であっても、一般的な切手や季節感に合わせたデザインの切手を使用するのが適切です。
寒中見舞いでの注意すべき言葉遣い
寒中見舞いは、相手への心遣いを伝える重要な文化的習慣であり、言葉遣いには特に注意が必要です。以下の点を心掛けましょう。
敬意を表す言葉の使用
寒中見舞いは相手への思いやりと敬意を示すために送られます。そのため、敬意を表す言葉を用いることが重要です。
例えば、「寒中お見舞い申し上げます」は一般的な表現で、相手への配慮を示します。目上の方には、「寒中お伺い申し上げます」など、より敬意を示す言葉を使うと良いでしょう。
喪中の場合の配慮
相手が喪中の場合、おめでたい言葉は控える必要があります。
「賀」「おめでとう」などは不適切とされ、代わりに「お年始状」「新年のごあいさつ」「年頭のごあいさつ」といった控えめな表現を選ぶことが適切です。
これは、相手の感情を尊重し、喪中であることを理解していることを示すためです。
返信が遅れた場合のお詫び
年賀状の返信が遅れた場合、その理由をきちんと述べてお詫びすることがマナーです。
何も書かれていないと、年賀状が届いたから仕方なく返事を出したように見えてしまうことがあります。
適切なお詫びの言葉を加えることで、礼儀正しさを示すことができます。